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〈FIVE BROTHER〉ファイブブラザーのタグの年代判別の話。

「ネルシャツ」こと、ヘビーフランネルシャツで名を馳せ、ヴィンテージ愛好家からの人気も高い老舗ブランド・FIVE BROTHER。特に長袖の季節になると、ネルシャツを探し求める人も多いだろう。
今回は、ネルシャツの人気ブランドであるFIVE BROTHERに着目し、ブランドの歴史や各年代のタグの見分け方について紹介しよう。

FIVE BROTHERのブランドの歴史

タグの年代判別方法を紹介する前に、FIVE BROTHERのブランドの歴史について簡単に触れておきたい。
ブランドが誕生したのは、今から130年以上前である1890年。ロシア系移民のアメリカ人であるモーリス・ファインによって、ニューヨークで創業された。モーリス・ファインに5人の息子がいたため、「FIVE BROTHER」というブランド名になったと言われている。
FIVE BROTHERは890年の創業当初からワークウェアを手がけていた。その着心地の良さ・耐久性の高さが、当時の都市部の労働者階級から爆発的な人気を集め、次第にアメリカ全土に普及されていくこととなる。特に、このブランドの代名詞とも言えるコットン100%のヘビーフランネルシャツは高い評判を受け、アメリカのワーカーから長年愛された。そして現代においては、作業着ではなく街着として世界中の人々に愛用されているのである。
そんな歴史あるFIVE BROTHERは、年代によってタグの特徴も様々だ。ここからは、各年代のタグの特徴を、画像と一緒に紹介していこう。

FIVE BROTHERの各年代のタグの特徴

1930’s

通称「黒タグ」と呼ばれる。
黒地に金色の刺繍でデザインされており、ブランド名がアーチ状になっているのが特徴だ。
1930年代のものはかなり希少性が高く、なかなか市場ではお目にかかれない。

1940’s

タグの中央に「5」の数字があるのが1940年代のタグの特徴だ。
このタグには、黒地のものと白地のもので2種類存在している。
いずれにしても、どちらのタグも赤色×緑色の刺繍でデザインされているのがポイント。
また、この時期から「UNION MADE」、ものによっては「SANFORIZED」の文字が表記されるようになる。

1940~50’s

白地に赤色×青色の文字のデザインなのは同じだが、「プリントタグ」と「刺繍タグ」の2種類が存在する。

1950’s

異なるデザインで2種類のタグが存在する。
一方は、「BROTHER」が大文字で書かれ、プリントで作られている「大文字プリントタグ」。
もう一方は、「Brother」で表記され、なおかつ「WPL2843」表記がされている「WPLタグ」だ。
「WPL」とは「Wool Products Labeling」の略で、毛織製造会社に交付された表記のことであり、「2843」は会社番号だ。この表記は1941年〜1959年まで使われていたことが分かっており、この「WPLタグ」であれば1959年以前に製造されていたと断定することができる。

1960’s

通称「森タグ前期」と呼ばれる。
次に出てくる「森タグ後期」とほとんど同じようなデザインだが、「SANFORIZED」という表記がされていれば1960年のものだと判別できるのがポイント。

1960~70’s初期

通称「森タグ後期」と呼ばれる。
「PRE-SHURUNK」や「NEVER PRESS」といった表記が入っているのが「森タグ前期」との違いだ。
また、「森タグ前期」でも見られるが、60年代からは「RN14372」の表記が入るようになる。「RN」とは「Registered Number」の略で、会社の登録番号を意味する。「RN」表記は「WPL」表記とともに1959年まで使用されたが、1959年からそれぞれの法令が一緒になったことで統合し、「RN」表記に統一された。なお、「14372」は会社番号であり、FIVE BROTHERのアイテムには全て同じ「RN14372」の表記が入る。

1970~80’s

白地に青色×茶色の文字のデザインになっているのが特徴。
このタグには、デザインは全く同じだが、逆三角形と四角形の2種類が存在する。
また、この年代から「®(レジスターマーク)」の表記が入り始め、1970〜80年代にのみ「MADE IN USA」表記が入るのもポイントだ。
このタグは復刻で使われていることも多いため、上記のポイントに十分注意して見分ける必要がある。

1990’s~

白地にオレンジ色×緑色の文字のデザインなのが特徴だ。
1990年代からは「MADE IN USA」表記が無くなり、「SEE REVERSE FOR CARE」表記が入るのもポイント。