1920年にアメリカで誕生し、ダウンジャケットを生み出したことでも知られる老舗ブランド・Eddie Bauer。アウトドアウェアに強みを持ち、ニットやアウターなどファッション性の高いアイテムも多いことから古着愛好家からの支持も厚い。
今回は、そんなヴィンテージ古着ブランドでもあるEddie Bauerに着目し、ブランドの歴史や各年代のタグの見分け方について紹介していこう。
ブランドの歴史
タグの年代判別方法を紹介する前に、Eddie Bauerのブランドの歴史について簡単に触れておきたい。
ブランドが誕生したのは、今から約100年前の1920年。アウトドアマンでガイドをしていたエディー・バウアー氏が、シアトルの小店舗でテニスラケットを販売し始めたことがきっかけとなる。1925年にはアメリカで特許を獲得した初の「グースダウンジャケット」を発表、1936年には自身が冬の釣りで低体温症になった経験をもとにダウンジャケットの「スカイライナー」を発明し、本格的にアウトドア業界において大きな影響力を持つこととなった。その後、1940年代にはアメリカ軍の衣服をデザインし、1950年代には登山家に革命的なアウトドアウェアを提供し、ブランドの地位を確固たるものにした。そして現在でもEddie Bauerはアメリカのアウトドア業界を牽引し、機能性に優れた画期的なアイテムを提供し続けているのである。
そんな歴史あるブランドであるEddie Bauerは、年代によってタグの特徴も様々。ここからは、各年代のタグの特徴を画像と一緒に紹介していこう。
タグの年代判別方法

1940年代:「WW Ⅱタグ」
1940年代のタグは「WWⅡタグ」と呼ばれている。
タグの通称の通り、当時第二次世界大戦でアメリカ軍が着用していたB-9に付いているのがこのタグだ。
黒地に金刺繍で文字入っているのがポイント。
1950’s初期:「雪タグ」
雪が降っているようなデザインが施され、1950年代初期に見られるのがこの「雪タグ」。
黄色地に白+黒刺繍で文字が入っているのが特徴だ。
1950’s:「日の出タグ前期」
1950年代になると登場し、太陽が登るようなデザインが特徴的なのがこの「日の出タグ」。
ブランド名の下には青文字の筆記体で「Blizzard Proof」、赤色のブロック体で「SEATTLE」と表記されているのが「日の出タグ前期」のポイント。
なお、この年代から®表記が入るものも見られるようになる。
1960’s:「日の出タグ後期」
1960年代のタグは「日の出タグ後期」と呼ばれる。
ブランド名の上に青文字の筆記体で「Blizzard Proof」の文字が入り、ブランド名の下には黄色のブロック体で「THE ULTIMATE INSULATION」と青文字のブロック体で「EDDIE BAUER-SEATTLE,U.S.A.」と入るのが特徴だ。
「Blizzard Proof」の文字がブランド名の下にあれば1950年代、上にあれば1960年代だと覚えておこう。
1960〜70’s:「KARA KORAM」タグ
1953年にエディー・バウアーがアメリカのカラコルム山脈の探検隊に提供したモデルに付けられているのが、この「KARA KORAM」タグである。
この年代の全てのアイテムに付いているわけではなく、カラコラムシリーズにのみ付いているのがポイント。
1970〜80’s
黒地に金刺繍の文字でデザインされているのが、1970〜80年代に見られる「黒タグ前期」。
ブランド名の下に「EXPEDITION OUTFITTER」の文字が入っているのが前期の特徴である。
1980〜90’s前半:「黒タグ後期」
「黒タグ後期」には、タグの下に細長い黒色のタグが付くことがポイントだ。
また、ブランド名の下の文字が「EXPEDITION OUTFITTER」から「OUTDOOR OUTFITTER」に変更されているのが黒タグ前期と見分けるポイントである。
また、この時期からはアメリカ以外の国で生産されるアイテムが見られるようになる。
1990’s:「白タグ」
1990年代からはシンプルなタグになり、「白タグ」と呼ばれる。
また、この頃からはほとんどのアイテムがアメリカ以外の国で生産されるようになり、なおかつファッション性の高いアイテムが多く作られるようになるのもポイントだ。