ベターセーターやシンチラスナップT、パフボールなど、古着界隈でも多くの人気アイテムを生み出すPatagonia。特に冬は、Patagoniaのアイテムを求めて探す人も多いだろう。
今回は、そんなPatagoniaに着目し、ブランドの歴史や各年代のタグの見分け方について紹介しよう。
Patagoniaのブランドの歴史
タグの年代判別方法を紹介する前に、Patagoniaのブランドの歴史について簡単に触れておきたい。
Patagoniaの創業者は、イヴォン・シュイナードという人物である。彼は少年時代から登山・クライミングに熱狂し、その経験をもとに登山用品を作り、販売し始める。その後徴兵されることとなるが、無事帰郷することとなり、1966年にPatagoniaの前身となる「シュイナード・イクイップメント」というブランドをクライミング仲間と一緒に創業した。
1968年、イヴォン・シュイナードはTHE NORTH FACEの創業者であるダグラス・トンプキンスと出会い、二人でアルゼンチンとチリの国境をまたぐパタゴニア地域に旅に出ることとなった。これがブランド名の由来だ。
1970年、イヴォンはクライミング道具の販売を行っていたが、同時にクライミングウェアをUMBROに発注して販売していた。しかし、クライミング道具だけではなかなか利益が出ず、それを補うために衣料品の販売を始めることとなるが、そのうち本格的な拡大をするにあたってブランド名が必要となり、1972年に「Patagonia」というブランド名で衣料品の販売を本格的に始めたのである。
その後、1977年にはパイル生地を使用したパイルジャケット、1985年にはフリース素材のシンチラ、2000年にはクラシックレトロカーディガンなど数々の名作を生み出し続け、多くのアウトドア愛好家や古着愛好家から今なお支持を集めている。
そんな新進気鋭のブランドであるPatagoniaは、歴史がそれほど深くないとは言えども、年代によってタグの特徴も様々。ここからは、各年代のタグの特徴を画像と一緒に紹介していこう。
Patagoniaの各年代のタグの特徴

1970年代 初期
通称「白タグ」と呼ばれる。
空の色が、ブルー×オレンジの2色で描かれているのが特徴だ。
1970年代 後期
通称「白タグ」と呼ばれる。
最初期のタグとは異なり、空の色が、ブルー×パープル×オレンジの3色で描かれているのが特徴だ。
この頃までは、「Patagonia」の文字がブラックで刻まれている。
1980年代 前半
通称「デカタグ」と呼ばれる。
胸などに縫われているタグが、現行品よりも大きいのが特徴だ。
1980年代前半からは、「Patagonia」の文字がホワイトで刻まれるようになり、「g」のフォントが70年代後期とは変わる。
また、1970年代初期はまだタグに®表記が無いのも見分けるポイントの1つ。
1980年代 後半〜1994年
「デカタグ」と「三角タグ」の2種類がある。
「デカタグ」は胸に付いているもので、ブランド名の横に®表記が付くようになるのが、80年代前半と見分ける際のポイント。
「三角タグ」は服の内側に付けられているもので、逆三角形で縫われており、®表記が付いているのが特徴だ。
1992〜94年
通称「雪無しタグ」と呼ばれる。
これまでには存在していた山の上の雪が無くなっているのが特徴。
また、ブランド名横が®表記では無くなり、◯の中に・が入る表記となっている。このように変更した理由としては、当時横行していた偽物対策のためだとも言われている。
1993〜1996年
通称「波タグ」と呼ばれる。
Tシャツや短パン、キャップなどサーフ系のアイテムに見られるのが特徴だ。
現行品でも復刻で出ている場合があるので、見分ける際は注意が必要である。
1994年〜現行
1992〜94年に一度山の上の雪が無くなったが、1994年からは再び山の上の雪が描かれるようになる。
1980年後半〜1994年のタグと似ているが、ブランド名横の表記が®ではなく、現行品では◯の中に・が入る表記になっているのが見分ける際のポイントとなる。